<div>我ハ鉛筆ノ芯齧ル</div>

なかなか到来しない桜前線セミロングの痛みのない髪の毛を揺らさない。

花粉をまとった生ぬるい風が髪の毛に纏わり付き、

湿気なんてなかったはずなのに心做しかベタつく。

 

憂鬱の正体みたいな顔をした灰色の君が枕元でコーヒーを淹れたよと囁く。

僕はまだこの36度から抜け出せない。

 

日常の基盤が固まって、安定した日常に堕ちる時、

それはそれは耳心地の良いベルの様な金属音が鳴り響いた。

ああ、ここはゴールなんだと。

 

これをゴールとしないのならば、物事にゴールなど存在しないのかもしれない。